
なんとなく言えずに、ずっと心の中にしまってきたことがありました。
それは母方の祖父のことです。
わたくしの祖父は、戦前のフランスに渡り油彩を描いていた「画家」でした。
戦禍で多くの作品を失い、母が幼い頃に亡くなったため、わたくしは会ったことがありません。
わたくしがこの道を選んだとき、もし祖父のことを話せば「才能を受け継いだのね」という言葉でまとめられてしまう不安があって、あえて口にすることはありませんでした。
プロの絵描きだった祖父への畏れ多さもありました。
でも最近、とても嬉しいニュースが届きました。
遠い親戚からのご縁で、祖父のフランス留学時代などの絵が数点、名古屋市美術館に収蔵されることになり、それを記念して、学芸員さんによる講演会が開かれたのです。
残念ながらわたくしは都合が合わず出席できなかったのですが、祖父の情熱が長い年月を経て日の目を見たことを知り、ようやく「おじいちゃん、すごいね」と素直に誇らしく思えるようになりました。
たとえ作品の多くが焼失してしまっても、誰かの心を動かす表現が残っていること。一人の作り手として、素直に尊敬します。
この出来事を刻んでおきたいと思い、祖父のことをお伝えする投稿を決めました。
(それにしても、わたくしも行きたかった!!でも日程的に無理でした〜
)
従姉妹によると、現在、名古屋市美術館の常設展で3点展示されているようですので、ご興味がある方は是非足を運んでみてください![]()
冒頭の写真は、わたくしが譲り受けた絵の一つで、まだ幼かった自分の子たち(つまり、わたくしの母や叔母たち)を描いたものです。
※本当は四姉妹なのですが、これを描いた時点では末っ子(叔母)はまだ生まれていなかったので三姉妹が描かれています。
祖父の絵は、(わたくしが知る限りでは)風景画や静物画が多く、人物画は少ないです。
従姉妹に見せたところ、他の絵と比べて色合いが明るい気がする、と。わたくしもそう思います。

我が子らを見つめる、温かな祖父の心が感じられて、持っている中で一番好きな作品です。
何のメンテナンスもしていないので傷みが激しいのですが
これからも大切にしていこうと思います。
あ、最後になりましたが、祖父の雅号は「鬼頭甕二郎(きとう・かめじろう)」と申します。
もしよかったら、以下もあわせてご覧ください。
▼NAGOYA CITY ART MUSEUM NEWS 130(名古屋市美術館ニュース アートペーパー)
▼コレクション解剖学2025(名古屋市美術館講座案内)



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