昨年末のことに遡りますが、東京フィル首席奏者の渡邉辰紀さんによるチェロ独奏『J.S.バッハと共に』というリサイタルのフライヤーを制作させていただきました。
一昨年に制作した、とあるフライヤーをご覧になった方から連絡をいただき、新たなお仕事へ繋がり、そしてこのたび、再びご縁をいただきました。何ともありがたい巡り合わせです。
ところで、クラシックコンサートのフライヤーって、重厚な雰囲気を出すため、全体的に暗く濃いめの配色になることが多いように思います。
暗く濃い色、というのは、印刷のインキ(インク)がたっぷり乗る箇所ということになります。インキが多すぎると、印刷物が乾きにくく、裏写りや汚れの原因になり、印刷トラブルにつながりやすいので、総インキ量の限界値として350%というのが一つの目安になります。(理想は300%以下とも言われますが、印刷会社さんによっても異なります)
そんなわけで、RGBのローデータをCMYKに変換するときは要注意。これを回避するために、「インキの総使用量の制限」をかけてプロファイル変換する方法がよく知られていますが、色味が変わってしまうこともあるので・・。
1点ものの画像であれば、少し手間はかかりますが、全体を機械的に変換してしまうのではなく、色域ごとにインキ量をコントロールするようにしています。
今回のフライヤーも、ご依頼主さまから「光と影」のコンセプトをいただいておりましたので、総インキ量に注意しつつ、暗部はできるだけ暗くなるようレタッチさせていただきました。
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