2023/04/08

これぞ紙の醍醐味!仕上がりを左右する文字組の調整

先日、ヴァイオリン独奏リサイタルのフライヤーをデザインさせていただきました。

昨年制作した「チェロ独奏リサイタル」と同じコンセプトで、「続きモノの音楽会と察することのできるデザイン」というリクエストをいただきましたので、「同じ趣旨だけど、異なるコンサート」ということが一目で分かるように工夫いたしました。

ところで、紙媒体(印刷物)のデザイン制作において、Webのそれと大きく異なるものの一つが「文字組の調整」です。

Webでもある程度は文字組を整えることが可能ですが、限界があります。文字組が自由自在であること、これこそがまさに紙の醍醐味と言えるでしょう。

本文のカーニング(文字詰め)はもちろん、括弧()や数字・記号の前後のアキ、連続する約物のアキ、和欧間のアキ、ハイフンやコロンのベースラインなど・・。調整が可能だからこそ、この部分にどれだけ手を掛けるかで、仕上がりが全然違ってきます。

ページ物など、文章量が多いものは、あらかじめアキ量を設定した文字組セットを作りますが、ペラ物であれば、ひとつひとつ個別にアキ量を調整しています。0.05mm単位で!

バランスを見て、助詞や仮名、数字のサイズを変えることもあります。

文字組のポイントは、違和感を無くすこと。伝えたい情報をきちんと伝えるためにも、見やすく読みやすい文字組を心がけます。

ただし、正解が無いのも文字組の奥深いところ。自分の感覚を信じるしかないので、毎度、苦心します。

「神は細部に宿る」と言われますが、細かい部分にまで気を配ることで、全体としての完成度は確実に上がりますので、日々これ勉強でございます!

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